まずはICDDR,Bについて。
ICDDRは元々は東西対立のさなかに、アメリカの援助で1960年に設立されたコレラ研究所に端を発していて、その後ICDDR,Bと名前を変えて、現在に至る。
特徴としては
・研究機関であるということ。
主な機能としては研究、教育、診療があるが、診療はあくまでも研究やトレーニングに付随するものという位置づけだそうだ。基本的には、基礎研究、臨床研究や、各種サーベイランス、公衆衛生的な研究等が盛んに行われている。診療は主に貧しい人向けに、下痢疾患を中心に無料で診療を行っている。
・感染症だけではない
名前から想像すると、感染症の専門機関かと思っていたら実はそうではなくて、健康に関するあらゆる領域を対象としている。母子保健や、Health Systemなどの研究も行っているそうだ。現在、予算の40%が感染症関連で、残りはほかの分野であるということ。
・国際的な組織である
勿論大多数を占めるのはバングラデシュ人だけれど、指導的立場には多くの外国人がいる。例えば、ICUのヘッドも、HIV病棟のヘッドもアメリカやイギリスのドクターである。病院も研究室も公用語はもちろん英語。若干アクセントの強いBanglish?であるけれど、、、
資金はバングラデシュ政府、日本、アメリカなどの政府からや、NIHやゲイツ財団からのGrantで運営している。従って例えば臨床研究の倫理面やデータ管理なども、恐らく、アメリカの基準に従って研究していると思われる。
ICDDR,Bの有名な実績としてはORS(Oral Rehydration Salt)の開発が有名である。この業績で救われた命の数は数えきれず、ゲイツ財団から第一回の国際保健ゲイツ賞を受賞しています。今や、「下痢の患者にORS」というのはバングラデシュだけでなく、途上国全般で常識です。子供でも知ってます。
http://www.gatesfoundation.org/gates-award-global-health/Pages/2001-centre-for-health-and-population-research.aspx
本当に素晴らしい業績です。現在は更に一歩進んだ、普通のORSよりも水分吸収に優れている、rice-based ORSというものを開発して使っているらしいです。
また、近年では下痢の小児にZincを与えると再発が非常に低下するという研究を進めていて、病棟では必ず「Baby Zinc」を投与しています。子供が飲みやすいように、スプーン一杯の水をタブレットに加えるとシロップになるんです。これも大規模に使われる様になれば、多くの子供の命を救う事になるのでしょう!


